TIDE POOL 葉山の公式ブログ

2019.08.21 UP
「せかい」を体で感じてみよう!①レッツ “のっけてウォーク”!
こんにちは!「せかい」クラス担当の、はらみづほです。

今日は、私が世界各地で見たビックリ仰天のオモシロ写真を見て、それをみんなでマネしながら、世界を体で感じる体験をしました。

私が世界各地で見たビックリおもしろ写真の一つ目は、こ~んな写真。

「このおばさん、何のっけてるの~?」と子ども達。

「何だと思う?写真の隅々までよく観察して考えてみてね」

「土?」「野菜?」「ごみ?」「服とか?」

うーん、みんなイイ線行ってる!

実はここはマザーテレサがつくったライ病患者の診療所の庭で、このおばさんは、この施設のための畑で働いている人。そしてこの頭上の玉は、畑で抜いた雑草をギュウギュウ詰めにしたものなんです。

「マザーテレサって知ってる?」とみんなに問いかけると、2人の子が名前を知っていて、そのうちの一人が、「病氣の人たちを助けていた人」と答えてくれました。

その通り!マザーテレサは、インドで、路上生活者や孤児、病氣で死にかけている人々などを助け、教会のシスターたちとともに彼らの生活をサポートする奉仕活動をしていたことで知られる、世界的に有名な平和活動家です。

だからここはインド。ライ病は細菌による感染症の一つで、顔や体の各部が溶けていくのが症状の一つ。マザーテレサはその病氣にかかってしまったけれどお金がなくて治療できない人たちを守る診療所を世界各地から集められた寄付によってつくり、そこで出す食事の食材も、その施設の敷地内の畑でまかなっていました。

私が聞いたところによると、この女性はここで治療していたもとライ病患者で、だいぶ回復したので畑仕事を手伝っている、とのこと。畑は無農薬で雑草がすごいので、その雑草を抜いて大きな布でくるみ、頭上にのっけて堆肥場に運ぶところだったのです。

「この玉、10キロくらい?」

「いいえ、たぶんもっともっと重いと思うよ。私はこのおばさんに頼んでこの玉を頭の上にのっけてもらおうとしたんだけれど、重くて重くて首が折れそうでちっとものっけていられなかったの」

「えー?!このおばさん、全然重そうな顔してないじゃーん!」

「そう、毎日こうやってのっけてるから慣れていて、コツをわかってるんだよね~。私もビックリして、ほんとは人間てすごい力があるんだな~!と思ったよ~」

さて、お次はこの写真。

「なにこれ、すげー!!!」と、みんなビックリ仰天、大笑い!

「これはどこで、何でこんなことしてると思う?」

こどもたちは口々に思ったことを答えてくれて、やりとりしているうちにある子が「わかった!神様へのお供え物だー!」と。

はい、ビンゴ!ここは、毎日のようにあちこちでお祭りが開かれているバリ島で、頭上の品はお供物なのです。

バリ島の伝統文化やくらしについてひととき説明し、また別の写真へ。

「エーッ?!ナニコレ~!!!」と、またまたみんな、引っくり返って大騒ぎ(笑)

クイズでやりとりした結果、ここはエジプトで、この人は町はずれにあるパン焼き場からあちこちのパン屋さんに焼きたてパンを配る仕事をしている人、という答えが知らされました。

ちなみに私はこの街(カイロ)で、このカゴの2倍の長さのカゴを頭上にのぜて自転車をこいでいるパン配り青年も見かけました。ビックリしすぎてあっけにとられているうちに自転車が通り過ぎて行ってしまったことので、その姿を写真に撮り損ねたことを、今も残念に思っています。

さて、お次はこんな写真。

これは、アフリカのブルキナファソ共和国の、水道も電氣も車もない村で撮ったもの。

顔の二倍ほどもあるでっかいバケツを頭に載せているのはこの村に暮らすお母さんたちで、水道のないこの村では、こうして彼女たちが朝と夕方の2回、井戸まで30分かけて水を汲みに行っていたのでした。

これは夕方の水くみから帰宅途中のお母さんたちに出くわした時に撮った写真で、私はこの時も「試しに私にもそれを頭にのっけさせてもらますか?」と頼んで、頭上に載せてもらったのですが、またもや首が折れそうになり、とてもじゃないけど耐えられなくて、「うわ~ダメだ~助けて~!」と叫んで、手を添えてくれていたお母さんたちに大笑いされながら、急いで頭上からはずしてもらったのでした。

さて、一通り写真を見終わると、こどもたちから質問が。

「なんでこの人たち、そんなに重いもの頭にのっけてるの~?」

待ってましたとばかりに、「なんでだと思う?」と問いかけ、みんなとやりとりするうちに、「車がないから」という答えにたどり着きました。

そう。世界には、自動車も、自転車も、リヤカーですらも買えない生活をしている人々がたくさんいて、世界全体で見れば、そられを持っている人よりも持っていない人たちの方が何倍も多いのです。

「なんでそんなに貧乏なの?」というある子の素朴な質問から、先月の授業を振り返り、少ないお金と引き換えに奴隷のように働かされている人々と、そうやって人々を働かせることで利益を独占している一握りの人々がいる、という現実について話は展開。

いつものように地図を見ながら、私たちが日々使っている品物の原料が、そうやって働いている世界各地の人々によって採取・採掘されたものである可能性も振り返った上で、不平等な現実を変えるための仕事をしているNGO(非政府組織)やNPO(非営利組織)の存在についても、できるだけ子ども達にわかりやすい言葉で伝えました。

すると、一人の子が目を輝かせながら、「今、ぼく、夢がひとつ増えた!」と嬉しそうに言ったので、「お!どんな夢が増えたの?」とすぐ尋ねると、「ぼく、そういうNPOつくりたい!」とのこと。

私は嬉しくなって、「うわ~!そんなふうに思ったんだね~!うれしいよ!」と思わず言いながら、ピカーン!とアイデアがひらめいて、みんなに投げかけてみたのです。

「ねぇみんな、来月の授業までに世界で活動する日本のNPOやNGOを調べて、話を直接聞いてみたいと思ったところに、タイドプールに来て話をしてもらえないかお願いする手紙を書いてみない?」と。

そうしたらみんなワクワクしてくれて、結局2人の子に、自分が話を聴いてみたいと思うNGOかNPOを3つずつ選んできてもらい、次の授業でそれをみんなにプレゼンしてもらって、全員が「話を聴いてみたい!」と思ったNGO・NPOに、「タイドプールに来て直接話を聞かせてもらえませんか?」と、みんなで手紙を書いてみよう!ということになりました。

プレゼンしてくれることになった2人は張り切ってくれているので、来月がまた、とっても楽しみ!

私もあらためて世界で活動するNGO・NPOについて、来月までに自分なりに調べてみようと思います。

みんなでラブレターを送った組織のうちのどこかが、リクエストに応えて話をしに来てくれることになった暁には、大人の皆さんにもご案内しますので、このプロジェクトをどうぞ応援してくださいね!ヽ(●=゚◇゚=●)丿

授業の最後は、みんなで「のっけてウォーク」体験!

実は頭上は、物を運ぶのにもっとも適したバランスのとり易い場所。やっていると体幹が整ってきて、ナイスバディになっていきます。

「こうするとラクチンだよ!」と発見する子も。こどもってほんとにクリエイティブ!

体験してみると、体でいろいろ感じてワカルね!

ほーら、だんだんみんな上手になってきた~笑

外国だけじゃなく、日本も昔は「のっけてウォーク」してました。伊豆大島で椿油を採るために椿の実を採集して頭上の桶に入れて歩いていた「椿娘」たちの風情は、今も伊豆大島の観光の目玉。車があると便利だけど体も頭も使わなくなって人間力が鈍っちゃうから、たまにはみんなで「のっけてウォーク」しましょうね~!ヽ(^o^)丿♪

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